この記事でわかること
- リスティング広告のクリック単価とは、ユーザーが広告を1回クリックするたびに発生する費用のこと。
- リスティング広告の平均クリック単価の相場は、業界によって大きく異なる。
- リスティング広告のクリック単価の決まり方では、入札単価・広告の品質・広告ランクと競合の入札状況の3要素が重要。
- リスティング広告のクリック単価が高騰する原因として、競合他社の増加や入札強化、広告の品質低下などが挙げられる。
- リスティング広告のクリック単価を最適化するには、品質スコアを上げたり除外キーワードを設定したりなどの方法がある。
- リスティング広告の平均クリック単価は、Googleキーワードプランナーを使って調べられる。
- リスティング広告でクリック単価が安い=正義ではない。
- リスティング広告の運用は、プロに依頼するのもおすすめ。
リスティング広告の運用担当者にとって、クリック単価(CPC)の変動は悩みの種でしょう。
「自社の単価は適正なのか?」
「なぜ急に高騰したのか?」
このように不安を感じていないでしょうか。
本記事では、リスティング広告のクリック単価について、業界別の相場や決まり方、調べ方や最適化の方法などを解説します。
仕組みを正しく理解し、無駄なコストを削減して成果を最大化するための参考にしてください。
まずは、リスティング広告のクリック単価の概要からみていきましょう。
目次
リスティング広告のクリック単価(CPC)とは?

リスティング広告のクリック単価(CPC)とは、ユーザーが広告を1回クリックするたびに発生する費用のことです。
リスティング広告の費用対効果を左右する重要な指標であり、その仕組みを正しく理解する必要があります。
ここでは、次のことを解説します。
リスティング広告のクリック単価
これらの基礎知識を押さえることで、広告運用の全体像がみえてくるでしょう。
なお、次の記事では、リスティング広告の費用相場や予算の決め方、注意点などを網羅的に解説しています。
リスティング広告の費用についてさらに理解を深めるために、ぜひ参考にしてください。
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リスティング広告の費用相場は?仕組みや予算の決め方3選も解説
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クリック単価の計算式
クリック単価は、次の計算式で求められます。
かかった広告費 ÷ 獲得したクリック数
例えば、広告費が10,000円でクリック数が100回だった場合、クリック単価は100円となります。
この数値が低いほど、同じ予算で多くのユーザーをサイトへ誘導できているといえるでしょう。
日々の運用ではこの計算式を常に意識し、数値の変動をモニタリングすることが大切です。
「上限クリック単価」と「平均クリック単価」の違い

上限クリック単価は、広告主が1クリックに対して「最大いくらまで払えるか」を設定した入札額です。
一方で平均クリック単価は、実際に発生した費用の平均値であり、通常は上限単価よりも低くなります。
上限単価はあくまで入札の上限であり、実際の請求額は競合の入札状況によって変動します。
両者の違いを理解し、目的に応じて適切な入札額を設定しましょう。
クリック単価が重要な理由

リスティング広告でクリック単価が重要な理由は、広告の顧客獲得単価(CPA)に直結し、運用の成果を大きく左右するためです。
クリック単価が高くなると、同じ予算で獲得できるクリック数が減り、結果として顧客獲得コストが上昇します。
逆にクリック単価を適正に抑えられれば、より少ない予算で多くの見込み客を集められます。
利益を最大化するためには、クリック単価のコントロールが欠かせないのです。
【業界別】リスティング広告の平均クリック単価の相場

クリック単価の妥当性を判断するためには、業界ごとの相場を知ることが不可欠です。
ここでは、WordStreamが発表した2025年のデータをもとに、Google広告の業界別平均クリック単価を紹介します。
※データは1ドル=150円で換算しています。
| 業界 | 平均クリック単価 |
|---|---|
| 弁護士・法律サービス | 約1,287円(8.58ドル) |
| 歯科医・歯科サービス | 約1,178円(7.85ドル) |
| 住宅・住宅リフォーム | 約1,178円(7.85ドル) |
| 教育・指導 | 約935円(6.23ドル) |
| パーソナルサービス | 約872円(5.81ドル) |
| 美容・パーソナルケア | 約855円(5.70ドル) |
| 工業・商業 | 約855円(5.70ドル) |
| ビジネスサービス | 約837円(5.58ドル) |
| キャリア・就職 | 約774円(5.16ドル) |
| 健康・フィットネス | 約750円(5.00ドル) |
| 医師・外科医 | 約750円(5.00ドル) |
| アパレル・ファッション&ジュエリー | 約647円(4.31ドル) |
| 動物・ペット | 約596円(3.97ドル) |
| 自動車(修理・サービス・部品) | 約585円(3.90ドル) |
| 家具 | 約579円(3.86ドル) |
| ショッピング・コレクターズアイテム・ギフト | 約524円(3.49ドル) |
| 金融・保険 | 約519円(3.46ドル) |
| スポーツ・レクリエーション | 約396円(2.64ドル) |
| 不動産 | 約380円(2.53ドル) |
| 自動車(販売) | 約362円(2.41ドル) |
| 旅行 | 約318円(2.12ドル) |
| レストラン・フード | 約308円(2.05ドル) |
| 芸術・エンターテイメント | 約240円(1.60ドル) |
※参考:Google Ads Benchmarks 2025|WordStream
これらの数値は、あくまでも一つの目安として捉えることが重要です。
実際のクリック単価は、競合の出稿状況やターゲット地域、キーワードの選び方や広告の品質スコアなど、さまざまな要素によって大きく変動します。
相場より高いからといって必ずしも失敗しているわけではなく、低いからといって成功しているとも限りません。
あくまで自社の属する業界の傾向をつかむための参考値として活用してください。
リスティング広告のクリック単価の決まり方は?重要な要素3選

リスティング広告のクリック単価は、複数の要素が絡み合って決まります。
オークションの仕組みを理解することで、無駄なコストを抑えるヒントが見つかるはずです。
ここでは、リスティング広告のクリック単価の決まり方で重要な要素について解説します。
クリック単価の決まり方で重要な要素
これらの要素が、実際のクリック単価にどのように影響するかをみていきましょう。
要素1:入札単価(上限クリック単価)

クリック単価の決まり方で重要な要素1つ目は、入札単価(上限クリック単価)です。
入札単価は、オークションに参加するための「チケット」のような役割を果たします。
競合が高い入札額を設定している場合、こちらも一定以上の入札単価を設定しなければ表示されにくくなります。
しかし、入札単価を上げるだけでは費用対効果が悪化するため、これだけで勝負するのは得策ではありません。
あくまで基本の要素の一つとして、適切な価格設定を行う必要があります。
要素2:広告の品質(品質スコア)

クリック単価の決まり方で重要な要素2つ目は、広告の品質(品質スコア)です。
Googleは、ユーザーにとって有益な広告を高く評価し、クリック単価を優遇する仕組みを持っています。
この評価指標が「品質スコア」であり、クリック率やキーワードと広告文の関連性などで決まります。
品質スコアが高ければ、他社よりも低い入札単価で上位表示を狙うことも十分に可能です。
コスト削減を目指すなら、入札額の調整よりもまずは品質スコアの改善に注力すべきでしょう。
要素3:広告ランクと競合の入札状況

クリック単価の決まり方で重要な要素3つ目は、広告ランクと競合の入札状況です。
リスティング広告の最終的な掲載順位は、入札単価と品質スコアを掛け合わせた「広告ランク」によって決定されます。
実際のクリック単価は、「自社より一つ下の順位の広告ランク」を基準に算出される仕組み(セカンドプライスオークション)です。
つまり、競合の品質や入札額が低ければ、こちらの支払額も安く済むケースがあります。
自社の改善だけでなく、競合の動きもクリック単価に影響を与えることを覚えておいてください。
リスティング広告のクリック単価が高騰する原因3選

運用を続けていると、急にクリック単価が上がってしまうケースが珍しくありません。
原因を早期に特定し対策を打つために、考えられる主な要因を知っておきましょう。
クリック単価が高騰する原因
これらの原因について、それぞれの背景と対策の方向性を解説します。
原因1:競合他社が増加または入札を強化している
リスティング広告のクリック単価が高騰する原因の1つ目は、競合他社が増加または入札を強化していることです。
競合他社が同じキーワードへの出稿を増やせば、オークションが激化しクリック単価は上昇します。
特に決算期などは、他社が予算を使い切るために入札を強化してくるケースがよく見られます。
この場合、無理に対抗して入札を上げるか、一時的に別のキーワードへ予算を移すかの判断が必要です。
市場の変化を常に監視し、柔軟に対応することが求められます。
原因2:広告の品質(品質スコア)が低下している
リスティング広告のクリック単価が高騰する原因の2つ目は、広告の品質(品質スコア)が低下していることです。
広告文の魅力が薄れたり、リンク先のページ内容が古くなったりすると、品質スコアが下がります。
品質スコアが低下すると、同じ順位を維持するために必要なクリック単価が自動的に上がってしまいます。
もし競合の動きがないのに単価が上がっているなら、自社の広告品質に問題がある可能性が高いでしょう。
広告文のリライトやランディングページの改善を急ぐ必要があります。
原因3:季節要因(繁忙期)により需要が急増している
リスティング広告のクリック単価が高騰する原因の3つ目は、季節要因(繁忙期)により需要が急増していることです。
引っ越しシーズンやクリスマスなど、特定の時期に検索需要が高まる業界ではクリック単価も高騰します。
多くの企業が書き入れ時に広告配信を強化するため、どうしてもオークション競争が激しくなるのです。
この時期の高騰は「必要経費」と割り切り、予算を増額して勝負するのも一つの戦略です。
年間計画を立てる際は、こうした季節変動による単価上昇をあらかじめ織り込んでおきましょう。
リスティング広告のクリック単価を最適化する方法5選

クリック単価を適正範囲に抑え、効率よくコンバージョンを獲得するための具体的なテクニックを紹介します。
これらを実践することで、無駄なコストを削減し、成果を最大化できるでしょう。
クリック単価を最適化する方法
それぞれの施策について、具体的なアクションプランを解説します。
方法1:広告文とLPの関連性を高めて品質スコアを上げる

リスティング広告のクリック単価を最適化する方法1つ目は、広告文とLPの関連性を高めて品質スコアを上げることです。
検索キーワードや広告文、そしてLPの内容を一貫させることが何より重要です。
ユーザーが検索した言葉が広告文に含まれ、リンク先でもその答えがすぐに見つかる状態を作りましょう。
関連性が高まればGoogleからの評価が上がり、結果としてクリック単価を引き下げられます。
ユーザー体験の向上が、コスト削減への一番の近道なのです。
方法2:競合が少なく成約に近いロングテールキーワードを狙う

リスティング広告のクリック単価を最適化する方法2つ目は、競合が少なく成約に近いロングテールキーワードを狙うことです。
例えば「スニーカー」のようなビッグワードではなく、「スニーカー メンズ ランニング 赤」のような複合語を狙いましょう。
こうしたロングテールキーワードは検索数が少ないものの、競合も少なくクリック単価が安い傾向があります。
さらに、検索意図が具体的であるため、コンバージョン(購入や申込)につながる確率が高いのも魅力です。
ニッチなキーワードを積み上げることで、低コストで着実な成果を生み出せます。
方法3:無駄なクリックを防ぐ除外キーワードを設定する

リスティング広告のクリック単価を最適化する方法3つ目は、無駄なクリックを防ぐ除外キーワードを設定することです。
自社の商材と関係のない検索語句で広告が表示されないよう、除外キーワードを登録します。
例えば、高級品を扱っているなら「格安」「無料」といったキーワードを除外設定すべきでしょう。
これにより、成約の見込みがないユーザーからのクリックを防ぎ、無駄な広告費の消化を抑えられます。
定期的に検索語句レポートを確認し、不要なキーワードを排除し続ける作業が大切です。
次の記事では、除外キーワードの概要から選定ステップ、他社から除外依頼がきた場合の対処法などを解説しています。
除外キーワードの理解を深めるために、ぜひ参考にしてください。
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リスティング広告のキーワード除外依頼が届いたら?設定方法やマッチタイプについても解説
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方法4:広告表示オプションを最大限に活用する

リスティング広告のクリック単価を最適化する方法4つ目は、広告表示オプションを最大限に活用することです。
電話番号やサイトリンクなど、広告文の下に追加情報を表示できる「広告表示オプション」を設定しましょう。
これを活用すると画面の占有率が上がり、クリック率(CTR)が向上するため、品質スコアの改善に寄与します。
追加費用なしで設定できるため、使わない手はないでしょう。
さまざまなオプションを網羅的に設定し、広告のパフォーマンスを底上げしましょう。
方法5:上限クリック単価の見直しと入札戦略を調整する

リスティング広告のクリック単価を最適化する方法5つ目は、上限クリック単価の見直しと入札戦略を調整することです。
手動で入札単価を設定している場合は、高すぎる単価設定になっていないか定期的に見直してください。
また「クリック数の最大化」や「目標コンバージョン単価」などの自動入札機能を活用するのも有効です。
GoogleのAIが過去のデータをもとに、最適な入札単価を自動で調整してくれるため、効率が上がります。
自社の目的に合った入札戦略を選び、運用の手間とコストのバランスを整えましょう。
リスティング広告の平均クリック単価の調べ方

自社のターゲットキーワードが現在どの程度のクリック単価なのか、事前に調査できます。
ここでは、Googleキーワードプランナーを使った調べ方を紹介します。
- 「検索のボリュームと予測のデータを確認する」をクリック

- 調べたいキーワードを入力し「開始する」をクリック

- 「予測」をクリックし期間を入力

- 平均クリック単価が表示される

上記の手順で、キーワードごとの平均クリック単価を確認できます。
クリック数やクリック率などもあわせて確認できるため、活用してみてください。
リスティング広告でクリック単価が安い=正義ではない!

クリック単価を下げることは大切ですが、それに固執しすぎると本質的な目的を見失うことがあります。
ここでは、単価の安さ以上に重視すべき指標と、正しい向き合い方について解説します。
クリック単価が安い=正義ではない
費用対効果を最大化するために、これらの視点を必ず持っておいてください。
クリック単価を下げすぎて機会損失を招くケース

クリック単価を安く抑えようと入札額を下げすぎると、広告の掲載順位が極端に下がってしまいます。
その結果、誰にも広告が見られなくなり、本来獲得できたはずの顧客を逃してしまう恐れがあります。
広告が表示されなければ、どんなに単価が安くてもビジネスとしての成果はゼロです。
「安さ」と「表示回数」のバランスを見極め、必要な露出量は確保しなければなりません。
クリック単価よりも重視すべきCPAとROASの指標

最終的に重要なのは「クリック単価」ではなく、「1件の成約にいくらかかったか(CPA)」です。
クリック単価が100円でも成約しなければ赤字ですが、1,000円でも高額商品が売れれば黒字になります。
また、広告費に対してどれだけの売上が上がったかを示す「ROAS(費用対効果)」も重要です。
クリック単価の変動に一喜一憂せず、ビジネス全体の利益率を見て判断しましょう。
高単価でも入札すべきキーワードの考え方

「料金」や「申し込み」などのキーワードを含む検索は、ユーザーの購買意欲が非常に高い状態です。
こうした「お宝キーワード」は競合も狙うためクリック単価が高くなりますが、確実に成約につながりやすいです。
多少単価が高くても、高いコンバージョン率が見込めるなら、そこには積極的に予算を投下すべきでしょう。
メリハリのある入札を行うことが、賢い運用戦略といえるでしょう。
リスティング広告の運用はプロ(運用代行会社)に依頼するのもおすすめ

クリック単価の調整には専門的な知識と日々の細かな分析が必要です。
もし社内のリソースやノウハウに不安がある場合は、プロへの依頼を検討するのも一つの手です。
運用代行会社に依頼すれば、最新のトレンドや他社事例に基づいた、最適な入札戦略を提案してもらえます。
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リスティング広告のクリック単価の相場や決まり方を押さえよう

リスティング広告の成果を出すためには、クリック単価の相場を把握し、正しい方法で最適化していくことが不可欠です。
しかし、単に安くすることだけを目的とせず、CPAやROASといった指標を見ながら「利益が出る運用」を目指してください。
まずはキーワードプランナーで自社業界の相場を調べ、無理のない予算設定からスタートしてみましょう。
なお、自社での運用が難しいと感じた場合は、専門の運用代行会社に相談することも一つの解決策です。
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